前回お話しした「RFID」<「Radio Frequency IDentification」(無線自動認証)>についてです。

中国の有名酒造会社がコピー商品の被害で困っているというお話を聞いて、コピー商品対策の提案をさせていただいたことがあります。業界に詳しい現地の方を経由してこちらの提案をメールで伝えると、担当者からすぐにお返事をいただいたので、営業にいきました。

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中国のお酒

*写真と記事は無関係です。

【問題点】中国の有名酒造メーカーA社の高級品B酒のコピー商品が出回っており、正規品の5分の1ほどの価格で売られている。こういう場合、メーカー側が損失を被るだけでなく、製品が本当に安全かどうか分かりませんから、消費者にも損失が及ぶ恐れがあります。

【解決案】B酒のボトルの蓋にRFIDを付ける。店舗側に読み取り機(リーダー)を設置し、仕入れの際、本物か偽物かを判断できるようにする。この時、具体的なコストも提示させていただきました。

ここで、担当者から思ってもいなかった回答が!

実は、B酒のコピー商品は、A社で製造していたのです。もちろん一般消費者には知られていませんが、社内では公然の秘密だそうです。そのため、RFIDを利用して本物とコピー商品が見分られるようになると困るのはA社、という説明を受けました。

なぜコピー商品を作り、5分の1の価格で販売しているのか。その疑問に対する答えはいただけませんでした。日本の常識では考えられない一連の流れに、中国ビジネスの難しさを改めて感じました。